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永遠の住まいへの渇望

12月の上旬、3年ぶりに田舎に帰ってきました。
今は、空家になったかつて住んだ家に一人立ち尽くすと昔の思い出がいろいろ思い起こされます。
ここでの懐かしい生活が全てが終わってしまった今、
私は、母の膝(ひざ)にしがみつき泣き出しそうな小さな子供のように自分を感じました。
寂しさと孤独感におそわれ、今心を休ませてくれるなら、簡単に誘惑に乗ってしまいそうな思いでした。

私たちは、長い旅で疲れた父の息子、娘です。私たちは、父に抱きしめて欲しいのです。
私たちは、安全に休まる永住の住まいを渇望しています。

私たちが切に追い求めている住まいは、真理の宿る家、愛のある家です。
私たちが渇望し、希望し、全てが満たされるその家は、
しかし、私たちが恐れている家でもあるのです。
私たちがしっかりと握り占めているものを手放さなければいけない家でもあるのです。
愛と赦しと癒(いや)しを受け入れることは、それを与えるよりずっと難しいことが多いのです。
自分を明渡す家、完全な信頼を求められる家です。
自分で勝ち取ったり、人々から認められたり、報われたりすることをはるかに超えたところの家です。

私たちの内の天の父への反抗心は、心の奥深くに根を張っていることを解っていなかったのです。
胸をたたき「罪人の私を赦してください。」(ルカ18.13)と涙ながらに祈った収税人の闘いのような、
どんなに辛い闘いを必要とするのかが解っていなかったのです。
天の父への旅路がどんなに厳しいものなのか解っていなかったのです。

私たちは、心にいつも闘いを抱え、精神的にも、感情的にも、霊的にも、疲れきっています。
その中で私たちは、傍観者から当事者へ、裁く者から悔い改める罪人へ、
偽りの愛にしがみつく者から神様に愛されている者へと少しずつその一歩を踏み出してゆくのです。

私たちは、神様に愛されているとゆう事実を私たちの考えや言葉、行いで血と肉にしていかねばなりません
それは、私たちにとっての受肉です。痛みと苦悩が伴うことです。

自分の思い通りにしたいとゆう思いを手放し、
どこに導かれるか解らない恐れに自分自身が死に、大きな愛に全てをゆだねることが求められるのです。
無条件の愛で愛してもらわなければ、天の父の愛の命令を生きることはできないとやっと解ったのです。
愛されるままの状態に自分を置き続けることは、考えた以上に難しいことだとやっと解ったのです。
そして、これらの混乱や失望の体験は、天の父の家へと向かう旅路の通過点となったのです。

私たちは、内なる場所つまり神様が住むことを選ばれた私たちの存在の最も深い、
心の中心点に向かって導かれています。
そこは、天の父が「あなたは、わたしの愛する子、わたしの心に適う者」(ルカ3.22)
と呼びかけてくださるところ、愛なる方に抱かれるところです。

私たちは、
「わたしがあなたの中に住んでいるように、あなたもわたしの中に住まいなさい」と招かれています。
神様が住まいと定めたところに私たちも住まうとゆうことは、大きな霊的チャレンジです。

私たちは、心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして
神様ご自身の住まいと定めたところから遠ざかっていました。
そして、私たちは、そのところを恐れていました。
私たちは、嫉妬深いほどに私たちを愛する天の父の愛を受け入れる覚悟ができていませんでした。
私たちの中にある恐れを取り除かねばなりません。

「わたしだ。恐れることはない。」(ヨハネ6・21)とあの方の優しい声を聞き取ることです。

み霊様ご自身が私たちの歩むべき道を示してくださいます。
私たち自身の内なる聖所の中に、神様を探し求めるように招いてくださいます。
そして、そこにいたる唯一の道は、「絶えざる祈り」です。

この世にあっては、決してたどり得ない死線を越えてつづくこの巡礼の旅路の中で、
私たちは、いろいろなことを求められ要求されるでしょう。
しかし、私たちは、ともに支えあい、励ましあって歩み、素晴らしい驚きを知ることになるのです。
お互い(あなたと私、あなたと私たち)が、この霊的旅路にとって欠かせない糧となり、
そして、やがてたどり着くゴールの素晴らしさの一部分を味わいつつ喜びつつ歩む旅路なのです。

「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」マタイ22.37
あなたの心の奥深いところからあの方の声が聞こえています。

追伸
今このとき、私たちは、聖パウロのコリント教会に送った言葉(Ⅰコリント6.7)が胸に突き刺さります。

「そもそも、あなたがたの間に裁判ざたがあること自体、既にあなたがたの負けです。
 なぜ、むしろ不義を甘んじて受けないのです。なぜ、むしろ奪われるままでいないのです」新共同訳

「そもそも、互いに訴え合うことが、すでにあなたがたの敗北です。
 なぜ、むしろ不正をも甘んじて受けないのですか。なぜ、むしろだまされていないのですか」新改訳

私たちの社会は、相手に勝つことを、打ち負かすことを求めてきます。
そして、結果的には、たとえ勝利を手にしても互いの溝を深めてします。
しかし、イエス様の方法は違いました。
今年6月の100周年記念伝道集会での李在哲牧師のお勧めの最後に「負けなさい」とゆうものがありました。
私も歳を取ったせいか最近カッコイイ負け方を考えるようになってきました。良い週末を。シャローム


  
 
 
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